シンシュンシュンチャンショー@日本橋三井ホール 2015.01.24 [Sat.]
数年前からその素敵なネーミングに興味を惹かれつつ、なかなか行くチャンスを掴めずにいたシンシュンシュンチャンショー。今年は、生誕40年と所属事務所の40周年記念が重なり盛大なイベントになるとのこと。
「cafelonもコタツ宇宙も全部見せます」というこの企画。
2009年7月、佐野元春 & THE COYOTE BANDのliveでそのパワフル且つとても楽しそうに弾く姿に惹かれ、Schroeder-Headzの『newdays』でファンになり、そして昨年、アルバム《No More Humor !》《tremolo holiday》を遡って聞き始めたばかりのcafelon新参ファンとしても、渡辺シュンスケという人のキャリアには非常に興味があり、また初参加にして豪華なステージが見れるという期待で、とても楽しみにしていた。
自筆自伝的パンフレット販売の情報を得て、開場とともにグッズ売り場の列へ並ぶ。席につき、時折BGMに耳を傾けながら読むそれはとても興味深く、読みながら笑ってしまったり、幼いシュンスケ少年の内面に触れて切なくもなったり。開演までの時間をこうして待つのも、ひとつのliveの楽しみ方としてなかなか良いものだ。
一通り読み終えた頃、気合いの一声がバックステージから微かに聞こえた。円陣を組んでいる様子が壁の向こうに見えるようだ。いよいよ開演。
石崎光 / 伊澤一葉 / 須藤優 / 鈴木浩之 / 朝倉真司 / 神森徹也 / 加藤雄一郎 / 村瀬和広 / 柿澤健司がステージに現れ、本日の主役、渡辺シュンスケが登場。シュンチャンのタクトで “俺のオーケストラ” オレケストラの演奏が始まり、シンシュンシュンチャンショーのスタートだ。
オープニングから初めて聞く曲で、いきなり未知のシュンチャンを見せつけてくれた『 Deracine』は新曲だったのか?なんとなく清志郎テイストの親しみを感じる曲だ。
何度かソロliveで聞いたことのある『背番号』は、オレケストラの演奏によって活き活きとした曲調に。
石崎光のギターイントロに、これがオリジナルか!とゾクゾクした『コーヒー』では、ハンドマイクで歌うシュンチャン。ピアノを弾かずに歌って踊る姿は新鮮だ。
そしてもう一曲cafelonから『チャーリー』
歌い方や声も、ピアノ弾き語りの時とは別人。いや、そもそも今までがCDの歌声とは別人だったのだ。真のcafelonシュンチャン本領発揮といった感じの一面を立て続けに目の当たりにして、呆気に取られてしまった。
続くSchroeder-Headzの曲は、須藤優 / 鈴木浩之 / 朝倉真司 との4人編成。そして、スクリーンにVJ:土井昌徳がビジュアルな彩りを添える。
『Tokyo Tribal Sacrifice』『T.V.G』『Petal』と、朝倉真司の紡ぎ出す音に、昨年の渋谷WWWを思い出す。人影で姿が見えなかった昨年とは違い、その活躍ぶりがよく見えて、視覚的にも音を楽しめて嬉しい。
『Sleepin’ Bird』のVJは、MySpaceでSchroeder-Headzに出会った6年前の記憶が蘇り、心の琴線に触れ涙腺を刺激する。liveではお馴染みのShing02 versionにL.E.D. versionのミックスアレンジで、更なる進化を遂げている。昨年、Inter-FMラジオ(公開live録音)で聞いてその変化に感動。それを本家、 加藤雄一郎のソプラノサックス生演奏で聞ける喜び。
そして『Blue Bird』への流れは “眠る鳥は、やがて目を覚まし、青い鳥となって羽ばたいた” という、曲解説からも窺えるストーリーだ。
『absence of absolutes』の演奏を終えると、笑顔で手を振りながらステージを後にする。
気付けばどこからか不思議な音色が。会場右端中央付近にステージが設けられており、スクリーンにも映し出される。コタツでみかんを食べながらのステージ、コタツ宇宙は、その幻想的な音の世界に、道化、玉井一人の舞いが、一層謎めいた不思議な雰囲気を醸し出していて興味深い。
神森徹也が手にしたビイドロの音が、ループして心地よく、その音色の魅力に初めて気付かされる。
コタツ宇宙の演奏が終わると、伊澤一葉がステージに上がり、ピアノを弾き始める。その合間に戻ってきたシュンチャンがピアニカで加わる。そして連弾しながらピアノを交代すると、今度は伊澤がピアニカを。最後に二人ピアニカで演奏となった『Love is all』は大学時代に鍾乳洞で演奏した思い出の曲とのこと。当時の空気まで再現されているようで、なんだか甘酸っぱい気持ちになる。
続く『ミラーボール』では、オレケストラの面々が再びステージに。いつものしっとり聞かせるミラーボールとは全く違い、なのに何故か聞き覚えがあるような。カウントダウンliveでDJがかけてくれた曲はこのversionだったのかもしれない。だとすると…?想像を巡らせながら、キラキラと回るミラーボールを見つめる。
そして大好きな『Swallow Song』こんな素敵な曲がCD未発表だなんて!一刻も早いCDリリースを切望する。
いよいよシークレットゲストの登場。堂島孝平が『サンキューミュージック』を歌うと、昨年堂島の結婚披露宴での話に。
泥酔したシュンチャンが、周囲が引き留めたにも関わらず新郎席に座ってしまい、悲しかったと。
うなだれつつも苦笑いのシュンチャン。
そしてもう一人シークレットゲスト、レジェンドですよ~と紹介され佐野元春が登場。期待と予感はあったが、いざ現実になると鳥肌が立つ。
先ほどの堂島の結婚披露宴の話に触れ「そこに僕もいました」と佐野。「ベロベロに酔っ払って目が半分くらいしか開いてないシュンチャンに “友人(堂島)のためにSOMEDAYを歌って欲しい” と頼まれ、友達思いだなぁと思って、予定にはなかったけれど歌いました」とのこと。
堂島の悲しかった話も、このエピソードを紹介するための前振りだったのだと思うと、心が温まる。
堂島も佐野と一緒に『約束の橋』を歌い、足でリズムを取りながらピアノを弾くシュンチャン。加藤 / 柿澤健司 / 村瀬和広らのホーンセクションが素晴らしく、嬉しくて感激!
物理的に来てもらえないので…とスクリーンに登場した第三のシークレットゲストは、なんと39歳の渡辺シュンスケ。1月5日に撮影したという、シュンチャン自身からおめでとうの言葉。 スクリーンのシュンチャンに視線を送りながらのピアノ共演となった 『sketch of leaves』は最高に素晴らしく、才能溢れる音色に、金色に散りばめられた音符たちがキラキラ輝いて見えるような気がした。密かにピアノの魔術師と呼んでいたが、改めて凄い人だと実感した。
アンコール『Linus & Lucy』では鈴木浩之が踊り出し、パワフルなドラムとのギャップで楽しませてくれる。
糸とナイト(夜)のダブルミーニングだという『ステキナイト』は、更なるスペシャルゲスト、cafelonの壱、ELEKIBASSの坂本陽一を招き入れての演奏。柴咲コウも花束を持ってサプライズゲスト。いくつもの素敵な糸が織り成すステージは、正に豪華絢爛だった。
鳴り止まぬ拍手に、ダブルアンコールは『newdays』を独奏。この曲と出会えて本当に幸せだ。
終演後のBGM『HARUSAME』が感動の余韻に浸るのに心地良い。
渡辺シュンスケという人の歴史を知ることができた約3時間。充実した盛り沢山のショーに、胸がいっぱいで言葉では表しきれない。
お誕生日の人から、たくさんの抱えきれないほどのプレゼントを貰ってしまった。シュンチャン、オレケストラ、ゲストのみなさん、素敵ナイトをありがとう!
seeing what I’m believing
seeing who I’m believing
それでもまだまだほんの一部に過ぎない。
夢の続きを 聴かせてくれよ
あり得そうもない話ほど 素直になれるから
歌の続きを聴かせてくれよ
終わらない今日の日の 素晴らしい歌を
続きを聞ける日が楽しみだ。
Set List
1. Deracine
2. 背番号
3. コーヒー
4. チャーリー
5. Tokyo Tribal Sacrifice
6. T.V.G
7. Petal
8. Sleepin’ Bird
9. Blue Bird
10. absence of absolutes
11. ティンポンミュージック
12. Love is All (w/伊澤一葉)
13. ミラーボール
14. Swallow Song
15. サンキューミュージック (w/堂島孝平)
16. 約束の橋 (w/佐野元春 / 堂島孝平)
17. sketch of leaves (w/渡辺シュンスケ(39歳))
encore
18. Linus & Lucy
19. ステキナイト (w/壱 / 坂本陽一)
encore 2
20. newdays
渡辺シュンスケwithオレケストラ
石崎光:Guitar
伊澤一葉:Keyboard
須藤優:Bass
鈴木浩之:Drums
朝倉真司:Percussion
神森徹也:賑やかし
加藤雄一郎:Alto Saxophone
村瀬和広:Tenor Saxophone
柿澤健司:Trumpet
玉井一人:道化
土井昌徳:VJ
Last update:2015.03.24